コミュニケーション

もうすぐ16歳になるラフ。

ラフが家に来た時、ぬいぐるみみたいにかわいかった。

年が明けてから体調が良くなくて、獣医さんで血液検査をしたら、腎臓や肝臓の数値がかなり悪くなっていた。

「腎臓の機能は、明日何かあってもおかしくないくらいの数値ですね。」と言われて、“明日という言葉に「この近くに動物の火葬場はありますか?」と、思わず口に出てしまったくらいショックが大きかった

獣医さんは「そんなに急ではないと思いますけど、出来れば家で看てあげてください。」と言われた。

2月に入ってからは、何も食べなくなって、夜中に外へ出て歩き回ったり、何度も胃液を吐くラフに、何も出来なくてほんとうに悲しい。

 

先日、京都で時々ラフの散歩をしてくれていた姪が来てくれた時、姪の顔を見た途端にすごく反応して、横になっていたラフが急に立ち上がって、しっぽをピュンピュン振りながら姪に走り寄った。

姪の周りを走り回って、ワンワンと何度も大きな声を上げた。

「奇跡が…!!!」と思ったけど、しばらくしたらクタッとなってまた横になってしまった。

でも、大好きな姪のことをちゃんと覚えてて、よっぽどうれしかったんだろうな。

 

それを見ていたら、人も犬も、やっぱり体を動かすしているのは、心なんだと思った。

妹に泣きながらメールを送ったら「苦しそうなのを見るのは涙が出るね。でも、長生きしてくれてありがとうだね。まだもう少し側にいたいからラフは頑張ってるんだよ」と返事が返って来た。

妹の「まだもう少し」という言葉に、メソメソしてるんじゃなくて、出来ることを考えなければと心が動いた。

両親の介護の時を思い返してラフのことをじっと観察したら、口の中がネバネバしてたので、工作所に口の中をきれいにしてもらって、それから、ラフが動きたくなったことがすぐにわかってサポートできるようにラフの首に鈴を付けた首輪を巻いた。

「なんで、この数週間ずっと落ち込んでしまっていたのかなぁ」と思い返すと、私と獣医さんとの極端な言葉の会話が原因だと思った。

立場の違う人と人との会話は、いつも以上に思っていることを丁寧に話して伝えるのが大事だなと、動物病院でのやりとりを思い出して、あらためて気付かされました。