ホスピタルアートディレクターの森合音(もりああいね)さんにお声掛け頂いて『四国こどもと大人の医療センター』内で開催するワークショップ。
今年の一月から始まって毎月1回、善通寺まで車で20分ほど、今は私も一人で運転して行けるようになりました。
少し遅くなりましたがまとめての報告です。
3月末、病院を退職されたり転勤になる医療者の方に『歴史を刻む』というコンセプトの時計を作るワークショップに工作所と二人で出向きました。
ワークショップの開始は、みなさんの勤務が終わってからだったけど大勢の医療者の方が参時計作りに参加してくださいました。
香川森林組合が制作して寄贈くださった檜(ひのき)の文字盤とパーツに、この病院のコンセプトカラーの絵具に刺激を受けて、みなさんこどものように手を動かしての時計作り。
出来た時計は、病院のいろんな所に飾られて、この病院で働いた人たちにとっても患者さんにとっても目に見えないやりとりができるんだろうな。
こういう物語のあるコンセプトを考える合音さんと関わる度に刺激を受ける。
毎月続けている新聞切り紙のカレンダー作りの4月のお題は「ちょうちょ」
この時は、比較的お元気な女性の方ばかりで、新聞の素材に感動されて「退院してからもやってみるわ〜」と、昼食に遅れそうになるほど一人で何枚も作ってくれました。
先日行って来た5月は「おにぎり」がお題。
あらかじめ家にあったシェーカーボックスをカラーコピーした台紙をお弁当箱に見立てて切り紙を貼ってもらった。
木目柄のお弁当箱なので、おにぎり1個でも定まるかなと、まずはコピー紙を手でもんでおにぎりの素材作りからスタート。
この日は男性の方が多くて、この題材は大丈夫かなぁと心配したけど、看護師さんと「何のおにぎりが好きですか?」を尋ねたら、「梅干し」とか「のり」とかポツリと答えてくださったり、天むすを作った20歳くらいの若い方は、「おいしそう」と声をかけたら、将来は栄養士さんになりたいと言われて、その場の一同が納得。
1時間足らずの一期一会の時間にこんな会話が生まれるのも、お手本がないそれぞれの思い出と向き合う新聞切り紙だからだと思う。
出来たカレンダーは、輪っかにしたマスキングテープを裏に貼ってそれぞれ病室に持ち帰っていただく。
病室での食事がおいしい時間になったらいいなぁと思った。