京都で飼っていたメダカ3匹も一緒に引っ越して来た。
倉庫にあった古い防火用水桶にメダカを増やして飼えるやんと工作所。
前の持ち主さんにお願いして残してもらった。
引っ越してからしばらくして、この防火用水桶の前でご近所さんが同じタイミングで通りがかることがあって「ここでメダカを飼うんです」とつぶやいた。
斜向いのHちゃん(この辺りは同じ名字の家が多いので、みんな下の名前で呼びあっている。)が、「水の入れ替えが大変やから、排水口にホースを差し込んでおく方がええな。」とアドバイスしてくれた。
「メダカのことやったらならSちゃんやで。あっ、ちょうど出て来てきよる。」と呼び寄せてくれた。
「メダカは何色がええ? 青がええか? 赤か白か?」とSちゃんが尋ねてくれたが、メダカってそんなに何色もあるのかなぁと思いながら「まだヒビ割れを直せてないので春になったらメダカをください。」とお願いした。
メダカがきっかけで、防火用水桶を囲んでのご近所さんとの井戸端会議の後で出掛けて戻って来たら、朝話していた排水のホースが作って置かれていた。
なんて素早い! きっとHちゃんが作ってくれたんだとすごくうれしくなった。
感激するとすぐお礼状を出したくなる習性の私は、「そうだ!」と思いついて、Hちゃんを『モーネメダカ飼育部課長』に任命することにしたありがとうのカタチを作って、次の日Hちゃん家のポストに投函した。
数日後、Hちゃんの奥さん(Kちゃん)が「あれ、ありがとう。すごく喜んでたわ。あんなにたくさんありがとうなんて誰からも言われんもん。」と言ってくださった。
モーネメダカ飼育部課長のHちゃんは、京都から連れて来たメダカを見て「水が緑色に濁っとるなぁ」と、毎週、家の井戸水でメダカの水を入れ替えてくれるようになり、外では寒いからと海苔の空き瓶を持って来てくれた。
こんな経緯でモーネメダカ飼育部は発足した。